137人が本棚に入れています
本棚に追加
/313ページ
明輝弘の言葉に即答で返す女子生徒。
そんな女子生徒に苦虫を潰したような顔を見せる明輝弘であったが、とりあえず提出物が無事に終えたので一安心である。
「でも明輝弘。なんか今年は結構野球部入るみたいよ?他のクラスの友達がそんな事を言ってたわ。」
「あっそ。まぁこんなトコに入る輩なんてそう大した事ねぇって・・・あ。」
「ん?何よ?」
話しながら何かに気付いた明輝弘にはてなマークを頭上に出しながら聞き返す女子生徒。
「いや・・・(そうだ、入部早々いきなりレギュラーにでもなったらどうするか、俺だと即レギュラーだろうし、そうなると面倒くせぇな。まぁ適当に理由つけて流すか)」
自信たっぷりとも取れる悩み事を考える明輝弘。
しかし、自分で勝手に解決し入部届を提出した女子生徒に笑顔を見せながら話す。
「じゃあそれ頼むわ。可南子」
「だぁれが可南子だ!!私の名前は片山真琴よ!!」
「あぁ、惜しかったな」
「惜しくもないわ!このウニ頭のアホ!」
「うっさいわ。とりあえず頼むぜ~」
言い合いをし明輝弘は手をヒラヒラとさせながら自分の席へと戻り、名前を間違えられた片山真琴はベーッと舌を出しアカンベをする。
(さて、入部届も出したし。あとは家に帰ってバンドメンバー募集してるとことかネットで探してみるか~。俺の最高の高校生活の始まりだな。)
意気揚々としながら椅子に座る明輝弘。
彼にとってある意味ではあるが、最高の高校生活が始まりを告げた瞬間であった。
最初のコメントを投稿しよう!