第零章 はじまりのはじまり

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特に注目されている選手に声をかけるのではなく、ただスタンドでメモを取りながら観戦をしていくというスタイルを通し、秀二も実際に球場で何度か目にしていたが最初はただの野球好きなだけかと思っていた。 その後に甲子園のテレビ中継を観て驚いたのは恐らく秀二だけでなないであろう。 恐らくその単純な事が選手たちに大きな印象へと残り自然と陵應への目が行き、実際に行ってみたりネットで調べたりとしていくうちに入学への意思が強くなってきているのだと秀二本人は思っている。 現に秀二もネットで調べ、現地まで行き学校を見てきた口だ。 立地条件の良さ、整備されたグラウンドや設備。 そして何より野球部の選手たちがノビノビとなる中で遥に高いレベルでの練習を目にした秀二の心は完全に陵應へと向かっていた。 偶然か否かは分からないが、神坂もまた同じように陵應への入学を決めており二人の話はすぐに折り合う。 そして残るはという事で今回俊哉に話をしたのである。 (トシのあの一瞬にして雰囲気を変えるあの力。それにトシと一緒にまだまだ野球をやりたい) と考えながら座り込む秀二。 きっと俊哉なら一緒に甲子園を目指してくれる。 そう期待に胸を膨らませる秀二であったが、その数日後の出来事が俊哉と秀二の運命を変える出来事になるとは思いもしなかった。 次回へ続く。
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