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その場の会話が終わり放課後となると帰宅へ向かう生徒たちが教室からゾロゾロと出ていく中、カバンを持った俊哉の元へ先ほどの赤髪の少女、マキが歩み寄ってきた。
「一緒に帰ろ♪」
「うん、いいよ」
二つ返事で共に帰路へとつく俊哉とマキ。
あのお店のケーキがおいしいとか他愛もない話をする中、マキは先ほどの話の話題を振る。
「さっきの進路の事だけどさ。」
「お、おう」
突然の派内にまた情けのない返事を返す俊哉。
多少キョどる俊哉にマキはパッと明るい笑顔を見せながら話し出した。
「私は、いいと思うよ。陵應に行くの。そりゃ地元で甲子園を目指してほしいっていう思いはあるし、遠く離れるのも・・・。でもね、秀二君はトシちゃんを必要としてくれてるじゃん。一緒に野球をやろうって言ってくれてる人たちと野球やった方がいいよ。それも方が楽しいもんね♪」
ニッと本当に明るい笑顔を見せるマキ。
俊哉はいつも彼女の無垢な笑顔に安心感をもらっていた。
その彼女の言葉を聞き、俊哉は確実な決意を抱いていた。
陵應に行こうかな・・・と。
マキと家の前で別れ俊哉は自宅の中へと入り部屋へと向かうとボスンとベッドにカバンを放り投げる。
「秀二に連絡するかな。」
そう呟きながら携帯をのぞき込む俊哉であったが、突然の着信に驚いた。
画面のあて先は名前が無く携帯番号のみ。
今流行りのオレオレ詐欺か?と疑いながらもその番号からの着信を取る。
「もしもし・・・うんそうだけど?・・・え?何で知ってんの?はぁ・・・うんうん。えっとじゃあ・・・今度の日曜日でいい?うん明後日。分かった・・・じゃあ」
しばらく話をしてピッと電話を切る俊哉の表情は少し困惑にも似た表情であった。
結局俊哉はそのまま秀二へ連絡するのを忘れ、謎の人物との待ち合わせの日へと進んだのであった。
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