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 そんなことを思いながら、なおぼんやり眺めていると、  「アハハ、おもしろいねー。ほんと、ルイーズってチョーおもしろいわ。さすがウチの親友だね」  どうやら、姉は「親友」のルイーズさんとお話ししていることが分かりました。それにしても、家で家族といる時、あんな笑い方をしている姉は見たことがありません。よほど、相手の話が面白いのでしょうか?  その後、何やらゴニョゴニョと会話をしていた姉はやがて、  「うん・・・うん・・・じゃあ、六時にヤーシブで待ち合わせねー。うん、オッケー、バイバーイ」  と言って、電話を切りました。そして、相変わらず携帯の画面を覗き込みながら、フラフラと、私がいる木の下まで歩いてきました。私はそんな姉を、黙って見つめていました。  とうとう姉は、木の真下まで来ました。大学に入ってから染めた、茶色の髪の毛が、すぐ眼下に見えます。ふと、携帯の画面から目を離し、初めて木の存在に気が付いた様子の姉の口から、こんな呟きが聞こえました。  「ふう、相変わらずルイーズは話が長いんだから・・・少しは聞く方の気持ちも考えろっつーの、ったく・・・」     
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