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 そうして舌打ちした姉は、木の上からこちらをぼんやりと見つめる私に、初めて気が付きました。一瞬、ギョッとした様子の姉でしたが、すぐにこちらを小馬鹿にしたような表情をして、言いました。  「あら、アリスじゃない・・・そんなとこで、なにしてんのよ?」  「なにって・・・ただ気持ちいい風を受けて、のんびりしているだけ」  「ふーん・・・たのしーの、それ?」  「うん、楽しい」  「ふーん、そう・・・」  そう言った姉の表情からは、  ーそんなの、たのしーワケないじゃない。へんな子・・・ー  という感情が、ありありとうかがえました。  「あんた、たまには友達とあそんだりしないの?」  姉はなおも聞きます。  「まあ、ごくたまに・・・お姉ちゃんは、今日も友達と遊ぶの?」  「そういうこと。大学の友達と、ヤーシブの町でね」  そう言った姉の表情からは、何やら勝ち誇ったようなものが漂っていました。  「あ、いけなーい。そろそろ準備しないと」  そう言って姉は、スタスタと自室へ引き返して行きました。そんな姉を、私は不思議に思いながら見つめていました。
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