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シュレリンガーのロボ埼さん事件についての考察
恋人のことで悩みがある。
俺の隣の席のロボ埼さんは、人間そっくりのアンドロイドである。
本人は気付かれていないつもりらしいが、このクラスの人間ならば、誰もが気付いていることだ。
なんて言ったって、腕が外れる。
昼間戦場となる購買では、ロボ埼さんがロケットパンチを用いて、おばちゃんとやり取りする姿がよく見られる。
人ごみの後ろから、腕だけ飛ばして、右手に商品、左手にお金をもっておばちゃんとやり取りするのだ。
体育の時間の前には、よくオイルを飲んでいる。
関節部分の動きを滑らかにするのに必要らしい。
一度、目からビームを出せるのか聞いたところ、目についているのは望遠機能と分析機能くらいでビームは出せないと言っていた。
必要だったら指から出すらしい。
アンドロイドということを隠す気がないのかもしれない。
そんなロボ埼さんだが、俺の彼女だ。
告白はロボ埼さんからしてきた。
彼女は不気味の谷を軽々と超える人間らしさと、マルチなかわいらしさを持っている。
気もあって仲も良いので、つい、OKしてしまったのだ。
OKした直後は、ロボットが恋人なんて一生童貞だな。なんて、幸せなことを考えていた。
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