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国道○号線
何かあるといけないので詳細は避けておくが国道○号線は事故が多い、亡くなったり重傷を負うような大事故は年に数回、追突や中央分離帯へぶつかるなどの事故は毎日のように起っていた。
その国道○号線を坂口直紀(さかぐちなおき)さんは車通勤で使っていた。事故が頻発するのはもちろん知っている。度々ニュースで取り上げられるのを見てうんざりしていた。
見通しの良い真っ直ぐな道路で何故事故が多発するのか? どうせスマホやナビゲーションやテレビなどに気を取られての余所見運転での不注意だろうと坂口は事故を起す人たちをバカにしていた。
ある朝、坂口はいつものように車に乗り込んだ。
「怠いなぁ、電車通勤なら倒れてるかもな」
その日は少し風邪気味で体調が思わしくない、身体が怠く頭も重かったが熱は無く坂口は風邪薬を飲んで会社へと車を走らせた。
「この程度で休むわけにいかないしなぁ、結構混んでるなぁ」
愚痴りながら国道○号線へと入っていく、風邪薬が効いたのか頭は楽になったが身体はまだ少し怠い。
件の事故の多い場所へと差し掛かる。高さ1メートルほどの柵が設えてある中央分離帯で区切られた片側二車線の真っ直ぐな道路だ。
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