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昨日の車かと思ったが色も車種も違う、女とイチャつくバカに巻き込まれて事故にでも遭ったら大変だと坂口は怒りながら左へと車線変更した。
「何考えてんだバカが…… 」
スピードを上げると右車線を走るフラついていた車を追い越していく、どんな奴かと顔でも見てやろうと追い抜き様に見ると二十歳くらいの若い男が運転席に座っていた。助手席には誰も乗っていない、女の姿など無かった。
「ちょっ! 女は? 」
どういう事だと軽くパニックを起していると後ろでガシャンと大きな音が聞こえた。
「マジかよ!! 」
バックミラー越しに見ると先程の車が中央分離帯に乗り上げるようにして事故っていた。
「女だ……やっぱ乗ってたんだ」
事故車の横に女が立っているのが見えた。走っている車のバックミラー越しなので詳細は分からないが濃い紺色か黒の服を着た女だ。
「ふざけてるからだバカが! 」
死人が出るほどの事故では無い、車の横に立つ女は無事の様子だし運転手も怪我で済む程度の事故だろう、坂口はそのまま車を走らせた。女とイチャついていてふざけて事故った奴らの事など知った事では無いと国道を出て会社へと向かった。
1週間ほど経ったある朝、坂口はいつものように会社へ向かって車を走らせていた。また風邪を引いたらしく体調が良くない、風邪薬を飲んで家を出た。
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