山の祭り

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山の祭り

 現在都内でイラストレーターをしている浅井香奈(あさいかな)さんが子供の頃、小学校4年生の夏休みに実家へ遊びに行ったときの話しだ。  浅井さんの実家は四国の高知県、海側ではなく山の麓にあった。遊びに行ったのはお盆も過ぎた8月の終わりだ。今は都内で一人暮らしをしているが子供の頃は両親と一緒に関西地方に住んでいた。両親が飲食店を経営していて夏休みが始まった初夏やお盆の時期は書き入れ時で店を休むわけにはいかない、従って家族揃って遊びに行くのは毎年8月の終わりの時期となってしまう。  小学4年生が出歩ける範囲には山しかない田舎は退屈だが実家には優しい祖父と一つ年上の従姉妹が居て遊んでくれるので浅井は毎年楽しみにしていた。5日ほど滞在するのだがその間に伯父が2回ほど海に連れて行ってくれる。  8月の終わりとなるとクラゲがやって来るので思いっ切り泳ぐことは出来ないが小学校4年生の浅井は従姉妹と一緒に波打ち際で遊ぶ程度なので問題は無い。     
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