お化け屋敷の人形

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お化け屋敷の人形

 やりたいことが見つからずに30歳を過ぎても仕事を転々と替えていた柴田啓介(しばたけいすけ)さんから聞いた話しだ。  柴田さんが前の会社を辞めてアルバイトをしていると知人から仕事を頼まれた。  演劇から個展まで催し物をプロデュースする仕事をしている知人だ。今度、お化け屋敷を作ることになったらしい、ある町の商店街の催し物だ。めっきり人足が少なくなった商店街に活気を取り戻したいらしい。  そのお化け屋敷で使うお化けの人形をワゴン車で運んで欲しいと頼まれた。運ぶお化けの人形は潰れたお化け屋敷で使っていたものだ。彼方此方に伝のある知人が話しを聞いて人形を貰い受けたのだ。処分をするにも金が掛かるので潰れたお化け屋敷にとっても渡りに船である。  人形を譲ってもらうことで予算を大幅に減らせるのでバイト代も弾むと言われて柴田も喜んで引き受けた。  柴田は今働いているアルバイトの時間を都合すると知人と二人で潰れたお化け屋敷にお化けの人形を取りに行く、二人で人形を運び出すのだ。想像以上の重労働だがバイト代は4万円だ。     
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