お化け屋敷の人形

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 その後は人形を商店街のお化け屋敷のスタッフへワゴン車ごと渡せばバイト終わりだ。朝から夜まで丸1日掛かるが1日で4万円のバイトなら文句は無い。  2時間ほど車を走らせていると雨がしとしと降ってきた。時刻は7時を回っている。雨の所為もあって深夜と変わりがないくらいに辺りは暗かった。 「何だ? 」  高速道路を走っていると後ろから妙に気配を感じる。積んでいるのはお化けの人形だ。怖いと思いながらも振り向いて確認しては何も無いのを見てほっと安堵する。 「何ビビってんだよ、まったく…… 」  助手席に重なるように置いてある人形の3つの頭を見て苦笑するとハンドルを握り直す。 「安全運転、安全運転」  気にしないようにすればするほど後ろが気になってくる。同じように気配を感じて何度もバックミラーを見る。当然、何も変化はない。  暫く走っていると後ろを走る車がヘッドライトを点けたり消したり点滅させてパッシングをしてくる。隣の車線を走っている車が慌てるかのようにクラクションを鳴らしながら横を通り過ぎていった。 「何煽ってんだよ、仕事で走ってんだ。安全第一だからな」     
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