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逃げるようにして入っていく柴田のワゴンを大型トラックが追ってサービスエリアへと入ってきた。
「ヤバいな、でも何もしてないぞ」
柴田が止めたワゴン車にトラックの運転手が駆け寄ってくる。
「大丈夫か!! 兄ちゃん大丈夫か? 」
怒鳴られるかと怯えていた柴田にトラックの運転手が血相を変えて声を掛けてきた。
「えっ!? 大丈夫って? 何がですか? 」
意味が分からず聞き返す柴田にトラックの運転手が話し始める。
ワゴン車の屋根が青白く燃えていたらしい、赤い炎ではなく、チラチラと黄色の混じった青い炎だ。何事かと目を凝らすとワゴン車の窓に人が見えた。大勢が乗っている。
トラックを近付けた運転手は息を呑んだ。貼り付くように窓から見ているものは人ではなかった。いや、人だったものも混じっているが全て化け物だ。
トラックの運転手はテレビの取材か何かで驚かせようとしているのだと思ったがそれにしては様子が変だと気付いた。ワゴン車は屋根の上だけでなく横や後ろも青白い炎で包まれている。走っている車だ。しかも雨が降っているのに火は消えない、悪戯にしては手が込みすぎている。
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