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「ふぅ、良い湯だったわ。 あ、プニ太郎の寝床はそこの桶だから」
お風呂から上がった私は部屋に設置された大きめの桶を指差す。
「む・・・これが私の寝床か、少し手狭だが塩水も張ってあって居心地が良い」
プニ太郎は早速桶に入り込むと、その中で水に浸かりながらゆったりと寛いでいる。
(なんかすっかり馴染んじゃてるけど、家の中にスライムがいる光景ってかなり変よね)
私は窓辺に座り、風に当たりながら部屋の中のスライムを見ていた。海から吹いてくる冷たい風が風呂上がりの体に気持ち良い。
(あの海から来たんだよね・・・プニ太郎が来てくれたおかげで賑やかになって、少し元気が出た・・・かな?)
月明かりに照らされる海は、穏やかに波を立てて流れている。
「あのー、センチメンタルに浸っている所悪いんだけど、夜食が食べたい」
突然の呼び掛けに振り向くと、プニ太郎が桶を出て背後まで迫っていた。
「えっ、夜食!?そ、そうだよね、まだご飯食べてないもんね・・・って、あれ?あなた水が主食じゃないの?」
「水が主食?無茶を言うな、私は仙人じゃないぞ。できれば、白甘鯛のムニエル、オマールエビのオーブン焼き、それに海藻類のサラダを少々・・・」
「ちょ、ちょっと待って!そんな高級なものばかり無理だから!あんたの口グルメ過ぎ!っていうか、海にオーブンとか無いし本当は食べたことないでしょ!?」
「むー・・・仕方ない、なら嶋田家の本日の夕食・残り物フルコースで妥協するとしよう」
(妥協って・・・このスライムもどきは・・・!)
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