第1章 海からの贈り物

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「さて水浴びもしたし、これからどこに向かうんだ?」 先程まで水に浸かっていたはずなのに、プニ太郎が這った後には水滴の1つも残っていない。結構すごい保水力なのかも。 「そうだね・・・とりあえず祠のある場所に行こうかな?」 「祠?何を祭っているんだ?」 「ラクセイ様っていう存在を祭っているのよ。大昔に空から落ちてきたんだって」 「なるほど、だから落星様と言うのか」 「あとね、ラクセイ様は見える人と見えない人がいるの、今は殆ど見えない人ばかりらしいけど・・・前に私の家族からプニ太郎の姿が見えていないことがあったでしょう?だから、もしかしたらプニ太郎とラクセイ様は近い存在なんじゃないかって思ったの!!」 以前、浜辺でプニ太郎と過ごしていた私を迎えに来た妹もその姿を認識できず、誰と話しているのかと怪しまれてしまったことがあった。それに加えて、プニ太郎が私の家に居候することになった時も、プニ太郎を抱き抱えているにも関わらず私の母親は何事も無いように会話していた。 「なるほど、つまり私も神様ということか。"かほ"よ、私をたて祀れ」 「は?」 「ラクセイ様とやらも祠を立てられて祀られているんだろう?なら、それに近しい存在である私も崇められても良いだろう。だから、ほら私をたて祀れ」 このプニプニの体をしたスライムは何を言っているんだろう。神様として崇められるには圧倒的に威厳が足りない。それに、特に突飛した能力も力も持っていないじゃないか。 「秋葉原辺りなら、生けるファンタジーとして丁寧に崇められるかもね」
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