第1章 海からの贈り物

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「えっ、あれって・・・家、いや小屋?」 足音の聞こえた方に少し進むと、視界に手作り感の漂う小屋のようなものが現れた。 「それに、若い人間の個体が雄、雌いるな」 「その言い方やめてよ、なんか原始的」 プニ太郎の言う通り、小屋の側には2人の男女が談話していた。女の子の方は赤い眼鏡と黒いストレートロングの髪型が特徴的な小柄で可愛い女の子だ。男の方は・・・なんだか特徴のないどこにでもいそうな優男って感じ。 「あっ、小屋に入っていった」 「よし、今だ!もっとラクセイ様に近づいてくれ!触れられる位近くに!」 「触る気なの!?わかったわよ・・・ちゃんと周り見ててね」 私は体を屈めてゆっくりとラクセイ様に近寄る。間近で見るラクセイ様は驚く程大きくてまるで大仏のようだ。 「それにしても大きいわね、150m位あるんじゃないの?」 ラクセイ様の全身を見ようと思えば、自然と空を見上げるような格好になる。そこにはラクセイ様の頭部が存在し、その表情はどこか優しげで母性的に見えた。
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