6人が本棚に入れています
本棚に追加
/201ページ
「人間の涙ってのは、ちょっとしょっぱいな・・・」
「えっ・・・?」
地面に座り込みどれだけの涙を流しただろう。抱き締めた水色のゲル状の体から突然声が聞こえた。私は驚き、自分の腕の中を直ぐ様に見ると、そこには死んだと思っていた大切な友達が目を開け、私の顔を見ていた。
「大丈夫だ、気絶していただけだ・・・」
「本当に良かったあ!プニ太郎生きてたっ!!」
プニ太郎が最後まで話し切るのを待つことなく、私はその体を今までよりも強く抱き締める。
「うおっ!!ちょっ!締め付けすぎ!ぞうきん絞りされているようだ、中身が漏れる!」
「あっ本当だ、体からドロッとした液体が滲み出てきてる!ごめんね、でも本当に嬉しかったから・・・」
あまり強く抱き締めたようで、その体から粘性を持つ液体が滲み出して私の服を濡らし、服を透けさせとても人前に出れない状態になっている。
「私があなたをここに連れてきたせいで、あなたを命の危機に晒した・・・ごめんなさい」
私はプニ太郎を抱き締めたままそう告げる。口が震えているのがわかる。
「実際には死んでないわけだし、どこかに行きたいと行ったのは私だ。かほは何も気にする必要なんてないさ」
最初のコメントを投稿しよう!