第2章 殺戮者

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「ねえ、私のために今度こそ死んでよ・・・」 フラフラと体を揺らしながら迫ってくる里美はまるで亡霊に取り憑かれているかのようだった。ガリッ・・・ガリッと鉄パイプを引きずりながら虚ろな目で私を見るその様は恐怖としか言いようがなかった。 「もう説得は無理みたいね・・・私は里美のために死ぬなんてできない!私には、もう大切な友達がいるんだ!今からでも思い出を作って、これからもずっと生きてくんだ!」 その様子に私は説得や話し合うことを諦めた。この世界は弱肉強食で成り立っている。それは人間同士でも同様で、こちらに敵意を示しているものに対して弱気で話し合いに徹していてはその生命を絶たれてしまうだろう。 「今でさえ、まともに立てないのにどうやって生きていく気?あんたは今ここで死ぬのよ」 里美は冷たく良い放つと、痛みに立つことができない私の目の前で手に持った鉄パイプを大きく振り下ろした。
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