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「うっ・・・!」
プニ太郎は苦しそうな声と共に地面にうずくまっている。
「なんなのよこのスライムは!!なんで人の言葉を話すのよ!!」
私への攻撃を邪魔された事に相当苛立っているのか、里美は鉄パイプを握り直すと何度もそれをプニ太郎に叩きつけた。
「里美・・・あんただけは許さないっ!!」
目の前で行われている暴虐に私はこれまでにない怒りと憎しみを感じた。すぐに立ち上がり、フラフラと頼りない体を必死に支えながら里美に向かって走り出す。
「この死に損ないが!!あんたもこのお仲間のスライムもまとめて死んじゃえば良いのよ!!」
里美の頬に右手の拳が到達するよりも早く、里美の振るう鉄パイプが脇腹に直撃する。
「がはっ・・・!!」
骨が軋むような嫌な音と共に意識が飛びそうになる。今にも倒れてしまいそうな体をどうにか奮い立たせ、里美の頬を殴打する。
「ぐっ・・・この野郎!!死ね!!死ね!!」
一瞬目を見開き驚いたような顔を見せたが、直ぐに怒りに満ちた表情を見せ、再び何度も鉄パイプを振り下ろす。
「・・・つ!!・・・っ!!」
何度も振り下される鉄の塊に私は徐々に呻き声を出すこともできなくなっていた。必死に身を庇うが、無駄な抵抗で体中の骨が砕けるような嫌な音が響いていた。
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