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僕を見下ろす4つの虚ろな瞳と
開き切ったザクロのように乱れた唇。
もうすっかり抵抗する気力なんて失って
僕はラグの上に横たわったまま
「……良かったらお兄様たちもどうぞ」
両手を開き
誘い込むように囁いた。
「味見して。僕の蜜を吸って」
言い終わらないうち
フェイクの花畑に群がる虫たちのように
あちこちから手が伸びて僕を捕えた。
あとはもう――。
支配的な手に羽交い絞めにされ
終わらない愛撫。
「ンンッ……」
溶け出した絵の具の匂いと
交互に味わう甘い舌先。
やがてユウタは僕の腰布を解いてしまうと
「ここの蜜――誰が一番に吸えるか競争しようか?」
まさか――。
「3分交代で順番に。分かる?」
大胆にも怖い人たちに
前例のない提案をして。
「アッ……いやぁっ……!」
先走りする僕の花芯を握って
我先にとむしゃぶりついた。
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