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それらは他と比べ、どの個体もより一層美しいという話だった。僕も既に何羽かとフィルター越しに顔を合わせたが、噂に違わぬ麗しさであった。
そしてこの湖には、“主”と呼ばれるひときわ有名なカワセミがいる。
尊敬する先輩が撮ったものを見せてもらったことがあるが、その美しさたるや、まさに翡翠といった様であった。羽毛の一本一本がきめ細かく、つややかに輝いているのだ。先輩の撮影技術の高さもあるが、僕が驚いて感嘆の心を述べると、先輩は憎たらしく自慢をしてきた。
横柄な態度にむっとするも、主に一目ぼれをしてしまった僕は、彼を撮りたくなった。ぜひとも肉眼でその姿をとらえ、そして写真に残したい。それを先輩に言うと、ふん、と鼻で笑われ、お前にはまだ早いなどと小馬鹿にされた。あげく去り際に、まあ頑張れよとどこまでも上から目線で、思ってもないことを言うのだった。あの首だけこちらを向いて、うすら笑いで見下す様が、今思い出しても腹立たしい。
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