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「わからなくもない」
「飲み込みの悪い言い方ですね」
「まあ一応同業者への批判だから。配慮としてね」
彼女は外へ息を送り出すだけのようにふふと笑う。
「やっぱり思った通り、先生と話すのは面白い」
「そういえばテストお疲れ様」
あれの結果としてこうなっている。
「いえ、疲れるほどのことはしていませんから。数学はとても安心できます。方法さえ知っていれば悩む必要もありません」
「そうだな」
数学のことをこんな風に話す生徒を彼女以外知らない。
「君みたいな生徒が増えれば私はとても楽ができるんだけどね」
「そうしたら先生はきっと無職になりますよ。それに習得していく過程は楽しいものですし」
「そんな風に考えている生徒はきっと少ない。得手不得手を鑑みてもね」
彼女と私は大して話していないのにすでにその雰囲気に親しんでいた。
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