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小魚の群れ 君がいて 僕がいる そんな世界を作ろう 君がいて 僕がいる そんな世界を作ろう 君がいて 僕がいる そこはもう世界だから 君がいて 僕がいる そんな世界で生きよう 木枯らしふいたように 小さくなった僕ら 弱い人間 いつもなにか恐がって 隠れなきゃ生きられない そんな世の中 君は「ダメな人」って僕に言うけど 「君はダメな人?」って僕が聞いたら なんて答えるの? 君がいて 僕がいる そんな世界を作ろう 君がいて 僕がいる そんな世界を作ろう 君がいて 僕がいる そこはもう世界だから 君がいて 僕がいる そんな世界に逃げよう 君がこぼした 涙が 世界を流してしまっても 僕がこぼした 涙が 世界を流してしまっても 君がいて 僕がいる そこはもう世界だから 君がいて 僕がいる そんな世界を作ろう 君がいて 僕がいる そんな世界を作ろう 君がいて 僕がいる そんな世界を作ろう 君がいて 僕がいる そこはもう世界だから 君がいて 僕がいる そんな世界で生きよう リフレインが多く、単調で退屈な曲だ。それでもある種の人間を引き付ける。その〝ある種〟とは私であり、彼女なのだろうか。その匂いを私は彼女の中に、彼女は私の中に嗅ぎあったのだろうか。例えばもしも孤独な人間が複数組み合わさったなら、人はそれを孤独と呼ぶのか。例えば望んで他人を排除しながら生きているような人間がそれをしたならそれは孤独に対する背信だろうか。しかし私はそうは思わない。この曲に登場する〝君〟も〝僕〟も結局は孤独さを拭うことはできないでいる。この曲を聴いて生まれたのは共感であり、情でもあった。それは巡ってみれば自分への情だろう。情けない話だと思うが、自分で孤独を選んでおきながらそんな自分に対して同情を感じる。孤独を絶対に拭えない部分が 人間にはあるのだという諦観を〝小魚の群れ〟は宥めていた。
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