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帰り道の車の中、行きと同じ景色かどうかをじっと凝視して見つめていた。けれど、同じような景色が続く単調な道路では、これが家に続く道なのかどうかは分からなかった。
暫くして見覚えのある道が目に入り、ようやく肩から力が抜ける。ケーキを買ってもらった妹は、おじさんのことをすっかり信頼しきっていた。
「はい、家に着いたよー」
バックルを外すとシュルシュルとシートベルトが上がっていく。その感覚をもう一度味わいたい誘惑に駆られながらも、扉の外へと足を差し出した。
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