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「そう一人、悪い?」
そう返すとどういうわけか、別にと言いながら隣に座ってきた。いやいや、なんであんたと二人でお昼ご飯食べなきゃいけないんだ。
「あのさ、」
「吉沢と喧嘩でもした?」
他行ってよ、と言おうとしたところを遮られてしまった。
「……別に」
「ふーん。女同士ってなんか厄介そうだよな」
知ったような口調で言う有川。きっと10分の1もわかってないくせに。
自分はいつもみんなの中心にいて、友達もたくさんいるから、こんな境遇に置かれたことだってないはず。
そんな有川に、友達作りが苦手な私の気持ちなんてわかりっこない。
「相変わらず小さい弁当ちまちま食ってんな」
そう言われてチラリと隣を見ると、当たり前のように焼きそばパンを頬張る有川がいて、思わず苦笑いが溢れる。
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