はじめに

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はじめに

 連載を書いてたら、時間を書きたい場面が出てきて……どう註を付けようかと手が止まりました。  以前にももしかしたらあったかも知れないけど、記憶に無い; 少なくともこれまで、現在の時刻で何時に相当するのかという註は付けていませんでした。  よく、時代小説に括弧書きで、例えば「明六ツ(午前6時)」などと書いてあることがありますが、江戸時代の時刻法は不定時法なので、これは全く正しくありません。  不定時法については後で説明を書きますが、季節によって時刻が変わるので、せめて「頃」を付けるべきだろうと思う所ですが、夏至の頃の明六ツは3時50分頃。実際には全然6時頃ですらないのです。  わたしは、この太陽と共に生きてる感じの不定時法が、こよなく大好きなのですよ。  でも、厳密に何年の何月何日と決まった設定で書いている場合ばかりではないし、この何月何日というのも、太陽太陰暦である旧暦の日付であってみれば、現在のカレンダーの日付とはずれがある。ずれは年によって変動するし、閏月なんてものもある。  正確に算出するのは困難そうな上に、書く物によって同じ時刻の現在時が異なっているということになると、ややこしいことこの上ないので、やっぱり(何時頃)方式にするのが無難なのかしら。  でも実際にはそうじゃ無いんだよということは、声を大にして言いたい!  ……と、いうわけで、江戸の時刻についてわりと真面目に書こうと思う。
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