私が欲しい君からの『一番』

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君の『一番』が欲しかった。 だから私は頑張って話しかけるようにした。 お互いに人見知りだった“から”なのか“けど”なのか分からないけど仲良くなることが出来て部活や勉強なんかの相談を受けたりもして本当に数少ない女友達の『一番』になることが出来たと思う。 けど、私が欲しいのは女友達の『一番』なんかじゃない。 何度手を伸ばしても届かなくて、掴めなくて。 電話だって何回も、何時間もするし他の人には言えないような悩みも私には話してくれた。 だけど、君が好きになるのは他のクラスの子や私の隣の席の子。 『一番』近い距離にいても。 『一番』理解してあげる人間であっても。 『一番』君のことを想っていても。 私の欲しい君の『一番』の条件じゃなかった。 こうやってお友達をしている今だってこの想いは変わらない。 けど、君が信頼してるって、これからもよろしくねって言うから。 自分で築き上げた癖に馬鹿みたいって分かってはいるんだよ。 だけど、今更になって実は君のこと恋愛感情の意味で好きなんだよ、なんて言えるわけがない。 だから私は今日も好きな子のことで一喜一憂してしまう君に明るく、お友達の距離から言うのだ。 「大丈夫だよ、頑張って!!」
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