誰も知らない、君のこと

　
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　――それでは早速、このブランドのコンセプトを聞かせてください。

　はい。〝ワタナベカナエ〟のコンセプトはズバリ、〝もう一人の私〟です。服って、ちょっと不思議な力がありますよね。かわいい服を来たらテンション上がって、何だか別人みたいに振る舞えることがある。でも、世の中には何だか……派手か地味かみたいな、両極端なモノしか無いなってずっと思っていて。〝普通〟の人が、ちょっとだけ個性のある服を着て、ちょっとだけ違う自分になれる。ちょっとだけ自信が持てる、そんな服を作りたかったんです。それでこのブランドを立ち上げました。

　――では、〝ワタナベカナエ〟と言う名前もそこから来ているのですか？

　そうです、そうです（笑）。本当はブランド名はそのまま本名にしようと思ったんですけどね。コンセプト通り、全然違う、もう一人の自分の名前にしようと思ってこうしました。〝五十嵐〟の、イの字も入ってない（笑）。

　――五十嵐さんは当大学を一年生の終わりに中退されていますが、何かきっかけはあったんですか？