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「ば、馬鹿なことはおやめ!」
シャインより顔色を蒼白にさせて、ストームが長剣を自分の方へ引き寄せる。
だがそれはシャインの首筋から離れない。
白い襟飾りと純白の礼装のせいか。刃を伝う真紅の雫が妙に鮮やかに見えた。
「わかった! わかったよ! 話ならさせてやるから、兎に角首から剣を外すんだよ!」
シャインはストームを一瞥し、ゆっくりとした挙動で彼女の言う事に従った。
一瞬視界が薄暗く感じた。
シャインは何度か瞬きした。
時間があまりないかもしれない。
「冗談じゃないよ。あたしがここまで出張ってきたのは、全部『お金』のためなんだから! 1リュールにもならない仕事は御免だよ! 全く、あんたがアドビスの息子かどうか、ホントは半信半疑だったけど、その人の足元を見るやり方、あいつにそっくりだよ!」
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