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「違うって?」
シャインは大きく頭を振った。カッと頬に熱が集まる。
「兎に角、俺はあの人とは違うんだ。ストーム、俺が副長と話をするのはお前に捕まっている事を、彼からあの人へ伝えてもらうためだ」
「だったらそれはもう分かっている事じゃないか! 今更なんでそんなことを言うんだい。耳が無いのかい、あんたの副長は!」
「あの人は……中将は疑り深い人でね。彼の話だけではきっと信じない」
ストームはいらついている様子だったが、シャインの意図に気付いたようだった。
「何か、身の証でも持っているのかい?」
シャインはうなずいた。
「ああ。俺の右手にブルーエイジの指輪がはまっている。それを見せれば、中将は必ず信じる」
ストームが言われた通りに視線をシャインの右手――人差し指に向ける。
何の装飾もされていない一見古風な指輪が、そこに光っていた。
停泊灯の光に、名前の通りの透き通った青い輝きがきらめいている。
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