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ストームが困ったように目を細めて呟いた。
「坊や……さりげなくそんな物騒なものを見せないでおくれ。ブルーエイジは『術者』が喉から手が出るほど欲しがる魔鉱石だよ。あたしゃ、ブルーエイジを持っているせいで殺された人間を何人か知ってる。真っ当な人間ならそんなもの、好んで身につけるものじゃない。ひょっとしてあんた、術者だったのかい?」
「まさか。ブルーエイジの不吉ないわれは知ってるが、失くしたくないんでね。ただ、それだけさ」
シャインは寂し気に、が、油断なくストームへ微笑した。
ストームは困ったように、開いている左手で頭をかいた。
珍しい。
がめついあの女が何かを気にしている。
けれどあともう少し。
ジャーヴィスに後を託したら、ロワールハイネス号と乗組員の安全は保障される。
その後のことはどうなっても――。
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