2-19 失敗の清算

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 シャインは軽く息をつき顔を上げた。  ちくりと背中にストームの剣の切っ先が突きつけられるのを感じながら。  一歩を踏み出す。  その後をストームも黙ってついて行く。 「ジャーヴィス副長――」  ジャーヴィスに近付いたシャインは、彼の厳しいその眼差しに、一瞬言葉を途切れさせた。  ジャーヴィスはシャインを睨んでいた。  冴え冴えとした青い瞳が、自分の行動を咎めるように、凍り付くほど冷たい光を放っている。  ジャーヴィスが怒るのは当然だろう。  乗組員を助けるためとはいえ、海賊であるストームと取引をしたのだから。  彼の潔癖な性分からいえば、この行為はとても看過できるものではないはず。  けれどシャインは思う。  生きていればチャンスはある。  一か八か行動を起こした結果、甚大な被害を被るのなら、必要最小限の犠牲で済む方法を取るべきだ。  一人の人間より多数の命を選択しなければならない時がある。  軍人としてこんな所にいるのならば、なおの事――。    ストームが再び剣の切っ先を背中に押し当ててきた。  早くしろ、といわんばかりに。
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