2-19 失敗の清算

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 シャインはジャーヴィスの正面に立った。  思い返せばジャーヴィスはいつも眉間に皺を寄せていた。  そんな顔をさせているのは、紛れもなく自分のせいだった。  シャインは彼の険しい瞳に向かって口を開いた。 「君にはいつも嫌な役ばかり押し付けてきたけどこれで最後だ。すまないが、あの人へ――グラヴェール中将へ俺の指輪を渡して欲しい」 「……」  ジャーヴィスはシャインを睨み付けたまま答えない。  非難や罵倒されることを覚悟していただけに、沈黙で返されることの方が心に堪えた。  シャインは俯き、右手を上げると、人差し指にはめていたブルーエイジの指輪を左手で抜き取った。  暗い甲板の上でもそれは停泊灯の光を受けて、きらりと青銀に輝いた。  その動きを見ていたジャーヴィスが真っ青な瞳を細めた。  ゆっくりと首を左右に振る。 「やめてください。私はこんなこと……絶対に認めません」  
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