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◇◇◇
ストームは思いきり打った後頭部をさすりながら、その上半身を起こした。
目の前がちかちかして星が瞬いている。
けれどそれをストームは頭を振って払いのけた。
はらわたが煮えくり返って沸騰しそうになるのか、本当に腹がかーっと熱くなってきた。
「くそっ! あたしとしたことが……!」
「頭! 早く船へ戻って下さい!」
ストームの副頭領が彼女を呼んでいる声がした。
ロワール号の水兵達が長剣や銃を携え、甲板に出てくるのを見たからだ。
「バカ言うんじゃないよ! このまま手ぶらで帰れりゃしないだろ!!」
激怒しながらストームは立ち上がった。
倒れても手放さなかった剣を、ぎゅっと握りしめる。
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