2-3 青き悪魔

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 シャインはロワールへ近づいた。  彼女の姿は十七才ぐらいの少女で、ケープのついた白い花びらを思わせる服を纏っている。  どちらかといえば小柄な体格で、身長もシャインの胸あたりぐらいの高さしかない。 「でも俺には君が『はっきり』見えるんだ。そして――」  シャインは右手を上げてロワールの肩に置いた。  華奢だと思う。少し力を加えれば壊れてしまうんじゃないだろうか。 「そう――君に『触れて』いると感じるんだ。君がすり抜けてみせた扉と同じなら、俺は君に触れることができないはずなのに……」 「……そうね」  肩に置かれたシャインの手に、ロワールの左手がそっと載せられた。  手と手が触れ合う温もりが伝わってくる。  それは人間同士のものとなんら変わりがない。  瞳を伏せ、ロワールが呟いた。 「私も――あなたに『触れて』いるって感じるわ」  囁くように聞こえた彼女の声は、何かを悟ったようだった。
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