2-19 失敗の清算

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「あ……あいつら! あたしを置いていく気かい!」  ストームが船縁から身を乗り出して叫んでいた。  ジャーヴィスは視線を、先程まで右舷側にいたストームの船に向けた。  メインマストに主帆が上がりつつある。逃げる気だ。 「おっと……!」  ジャーヴィスはよろめいた体を支えた。ロワールハイネス号が後退から、前進へと変わったのだ。からからと舵輪が回る音と共に。 『あんたたちは絶ーー対、逃がさないんだから!!』  ロワールの鬼気迫る声が甲板中に響き、彼女を取り巻く水色の光が、一際強い輝きを放った。  ロワールハイネス号は、ストームの船の左舷側船体に向けて、船首を大きく突っ込ませたのだった。
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