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「スレイン、行くぞ」
ジャーヴィスはストームを立たせるよう、側で待機していた水兵に命じた。
船の第3層部にある船倉へ下りるため、ストームの足の縄だけは外してやる。
彼女は抵抗せず船倉へ自ら入った。
「……ねぇ」
ジャーヴィスが扉を閉めようとした時だった。
「なんだ」
「あの坊や……いや、あんたの艦長……本当にアドビスの息子なんだよね。命が惜しけりゃ、海軍なんてすぐにやめなって、言っとくれよ」
先程までの悪態はどこへやら。妙にしんみりとストームはつぶやいた。
「何故お前がそんなことを?」
「これ以上は言えないね。ただ、アドビスには敵が多いんだ。せいぜい奴に利用されないように気をつけな、ってことだよ」
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