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ジャーヴィスは無意識に、航海服のポケットを握りしめた。
布ごしにひやりとするシャインの指輪の感触がある。
「やけに態度が違うじゃないか。さっきまではあれほど、艦長の事を罵っていたくせに」
ストームはふんと、鼻息を鳴らした。
「もう出ていっとくれ。あんたが邪魔したから、あたしは捕まるし3000万リュールも稼ぎ損なったんだ!」
「言われるまでもない。自分の身がかわいいなら、おとなしくしていろよ」
ストームが背を向けてしまったので、ジャーヴィスは黙ったまま扉を叩き付けるように閉めた。
「しっかり見張っておけよ。何かあったらすぐ報告してくれ」
「はい、副長」
船倉の扉に鍵をかけたジャーヴィスは、ストームを見張るため位置についていたスレインにそう言うと、そそくさと階段を上がっていった。
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