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「あの女は海賊です。海賊は自分の利益しか考えません。そんな相手をいちいち信じていたら、命がいくつあっても足りません」
ジャーヴィスが感情のこもらない声で答えた。
シャインはジャーヴィスを睨み付けた。
簡単にそう言い切る彼の神経が信じられない。
「だからといって、相手が海賊ならどんな手段を用いても、許されるというのかい? 海賊だって人間なのに。俺は……そういう考えでいたくない。君も、あの人と同じだ。あの人のように、勝つためなら手段を選ばない……俺は、そんなやり方だけは絶対に嫌だ!」
「……」
ジャーヴィスはすぐに言葉を発しなかった。
けれど鋭い青い瞳は逸らされることなく、シャインを真っ向から見つめている。
シャインもまた熱を帯びた青緑の瞳をジャーヴィスから逸らせなかった。
ジャーヴィスが沈黙しているのは、シャインの言うことに正当性を感じているからだろうか。
ジャーヴィスが意を決したように口を開く。
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