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「はぁ~軍艦乗りか~。私、軍艦の連中って、あんまり好きじゃないのよね。人も船も。特に、船の精霊はお高くとまっているのが多いのよ。ホントに」
思わずシャインは、メリィのいうことに深くうなずいてしまった。
確かにそんな気がする。
シャインは子供の頃から入り浸っていた造船所のことを思い出した。
修理や船体の整備のためにドック入りした船の中には、船の精霊(レイディ)が宿っているものもあった。
彼女たちはシャインが子供だからという理由で、話しかけてもあっさりと袖にされることが多かった。
「メリィさん。そういえばさっき、この大砲はストーム対策じゃないって、おっしゃってましたよね?」
「あらあら、あなた、船から海賊の情報を集めているの?」
図星だ。言い訳するつもりもないが。シャインは申し訳なさそうに頭をかいた。
「失礼なのはわかっています。ですが、今はどんな情報でも欲しいので……」
くすくす。メリィが笑った。シルフィードなら、どんなに断られてもお茶に誘うだろう……魅惑的な笑みだ。
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