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「ええ。その通りです。エルザリーナは自分の故郷、アメリゴベスを愛した女性醸造家でした。彼女は美味しいワインを作る事を生涯の仕事と定め、そして誰もが魅了される素晴らしいワインを作ったのです。
彼女のワインは評判を呼び、それは遠く離れた王都ミレンディルアにいるエルシーア国王の耳まで届きました。
エルザリーナのワインに魅せられた国王は、彼女に自分のためのワインを作るよう命じました。918年は王の一人娘、ミュリン王女がお生まれになった年なので、そのお祝いも兼ねて最高の赤ワインを作るよう、エルザリーナに言ったのです。ですが……」
ジャーヴィスは乗り出していた身を再び椅子の背に預けた。
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