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「エルザリーナは他にもワインを作っていました。ただ、王に献上するワインで彼女のワイン蔵が塞がってしまったので、ジェミナ・クラスのアバディーン商会から酒蔵を借りて、そこで作っていた数樽が運良く残っていたのです」
アバディーンと聞いてシャインは驚いた。
あの社長は貴重なエルザリーナの最後のワインを守った人物だったのだ。
「でも、話はこれで終わりじゃないんですよ。グラヴェール艦長」
珍しくジャーヴィスが目を細めてシャインを面白そうに眺めていた。
「終わりじゃないって?」
ジャーヴィスは椅子に背中を預け、机の上のワインを物憂げに見つめた。
「エルザリーナはジャムスにはめられた事を知ってましたが、アマルドの実をワイン樽に入れた事は認めたのです」
シャインは目を見張った。
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