99人が本棚に入れています
本棚に追加
血相を変えたジャーヴィスが、グラスを持つシャインの右手を掴んだ。
そのまま押し付けるように、無理矢理机の上にグラスを置かせる。
「なんでそうなるんですか! 毒味をするなら私の方が先です」
シャインは首を振った。
「このワインをもらってきたのは俺だ。だからまず俺が安全を確かめてから、君が飲むべきだ。手を離してくれ、ジャーヴィス」
シャインの言葉にジャーヴィスの顔が引きつる。
「あなたにそんなことをさせる訳には参りません」
「俺だって君にそんなことをさせるわけにはいかない!」
ジャーヴィスとシャインは互いを睨みつけ、机の上で互いの手に握られたグラスをもう片方の手で押さえ合うという、実に奇妙な格好を続けた。
最初のコメントを投稿しよう!