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「……何時までこんなことを続けるつもりですか?」
絶対に馬鹿げている。
ジャーヴィスの唇は歪んで引きつり震えている。
シャインもそれは思っていた。
「じゃ、一緒に飲むかい? 捨てるには惜しいワインだし、俺はアバディーンさんにこれを大切に飲むと約束した。このワインはジェミナ・クラスの海運業を営む人々からの、ストームを捕まえた俺達に対する感謝の気持ちがこもっている」
シャインはジャーヴィスに微笑した。
そう。
そんな善意の酒に毒なんか入っているはずがない。
険しい氷のような表情をしたジャーヴィスが、その面をふと和らげた。
「いいでしょう。あなたがそこまで言われるのなら」
「よかった。いい加減手が痺れてきたからね。おっと、手を離した途端、先に飲むのはなしだよ」
ぴくりとジャーヴィスの頬が引きつった。
「それはあなたでしょう? あなたこそ誓って下さい。抜け駆けしないと」
シャインはジャーヴィスの瞳を見据え、力強くうなずいた。
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