2-19 失敗の清算

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「エリック、エルマ、早く艦長を下へ運んでくれ」 「わかりました」 「後、首の傷に止血をするんだ。急げ」  ストームの視界に、意識を失っているシャインを、かけつけた水兵に預けるジャーヴィスの後ろ姿が見えた。  3000万リュールが逃げる。  冗談じゃない。 「待ちな! その坊やはあたしのものだよ!」  ストームの振り上げた白刃が、メインマストの停泊灯の下に煌めく。  振り返ったジャーヴィスは、迷いもせずその前に立ちはだかった。 「黙れーー!!」  パキィンッ!  鏡が割れるような音と共に、ジャーヴィスの手に握られていた斧が横への光の軌跡を描いて、ストームの剣を真っ二つにしていた。  折れた刀は、ストームの頭上すれすれに回転して飛んでいき、後ろのメインマストに突き刺さった。  ストームはその衝撃で尻餅を付いた。 e1a32330-bc8b-4e89-bdf0-c5d0169da262
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