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左頬にピリッと痛みを感じる…
「それ以上言うのは、虎之でも許しませんよ」
俊兄のメガネの奥に悲しさからなのか分からない…ただ……涙を流す俊兄を見て僕は情けなかった
兄さん達……周りとは違うからってやけを起こして
こんな事しても変わらないのに
「ごめ…なさ…ごめんなさい…」
泣きながら謝る…
「…虎之……悪いのはお前じゃないかと言って誰かが悪いってわけでもないせめて、俺が人間だったらお前も追い詰めなくて済んだか?」
顔は見せまいと前を向いたまま佑兄が言う
「ううん…やけを起こしてただけだよ…大丈夫」
そっか…と言って叩いた方の頬を優しく撫でてくれる…
「ごめんな…赤くなってる」
「ううん…痛くないから大丈夫」
「優しいな……虎之…」
頬にチュッとキスをする…俊兄……
「……え、ええぇぇぇぇええ!!!?」
静かな廊下に僕の声が響き渡った…
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