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眠りの終わり
私が浮遊霊のような姿で目覚めてから1ヶ月。
ひとつの事件が起こった。
夏も盛りの日差しの中、私はクーラーの効いた病室の中で、ついウトウトしてしまっていた。
なんだか眠いなぁ。
これは久々に眠れるかも・・・・
ビービービー
鳴り響く音。すぐさま、看護師と医師が病室に飛び込んできた。何事かと飛び起きた私の下で、
痩せ細った私の腕には注射器が突き刺され、
心臓マッサージが始まっていた。
私の目がすっかり覚めた頃、私の体も一命を取り止めたようで、けたたましい音は鳴り止み、看護師を一人残して、医療陣たちも引き上げていった。
今まで眠れなかったのではない。
眠ることは永遠の眠りを意味するのだ。
その時、私は初めて自分の状況を理解した。
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