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カルテ
私の笑いは一週間ほどで落ち着いた。
その間に、両親、兄弟、友人が時々病室を訪れ、夫と医師・看護師が毎日のように訪れた。
彼らの様子から察するに、私は3年前、家の近所で意識不明の状態で発見され、それ以来ずっと眠り続けているという。事故に遭ったわけではなく、外傷はなかった。
意識をなくした際に頭は打ったようだが、かすり傷程度で、問題は全くなかった。
医師たちの間では『過眠症』『ナルコレプシー』などの病名と思われる専門用語が飛び交っていたが、会話の様子から原因は未だにわかっていないようだった。
あまりに自然な睡眠に近いため、誰もが、当初は
いずれ自然に目覚めるだろうと考えていたようだ。
しかし、3年たった今でも、私は目覚めていない。
そして、意識だけが抜け出たように、
病室の天井近くに、私がいるわけだ。
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