第一章 ファーストコンタクト

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まで追い詰めたのに……ああ、待ってくれ俺のメタルよ……。夢から目覚(めざ)め徐々に現実へと引き戻されていく。  もう少し惰眠を(むさぼ)っていたかったが、おちおち寝てもいられなくなったので顔を上げると、 「やっと起きた……。さっきからずっと呼んでたのに」  眉尻を垂らし、愛嬌(あいきょう)のある大きな眼と小さな鼻の下で口をへの字に曲げた、よく見知った顔の女子生徒が肩からスクールバッグを(ひっさ)げて立っていた。  赤味掛かった肩までの髪に、困ったような、安堵(あんど)したような表情を貼り付け、我が校指定の浅葱(あさぎ)色のブレザーと深緑のプリーツスカートの制服に身を包んだ少女が俺を見下ろしている。  因みに俺も着ている男子の制服は、浅葱色のブレザーにグレーのスラックスだ。 「……何だ、菜夏(なのか)か。俺の貴重な至福の時を邪魔するなんて……ふああ」欠伸(あくび)が漏れる。  周りを見ればがやがやとクラスメイトたちが歓談したり鞄を持って(せわ)しく教室を出て行ったり、と放課後のムードが漂っていた。     
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