死因を告げる友人

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 翌日十時――    僕と友人は予定通り駅で落ち合った後、街中を歩いていた。  談笑しながら横断歩道で信号待ちをしていると、会話の途中で友人が、 「轢かれて、死ぬ」  突然そう言った。昨日と同じ冷たい顔と声だった。 「え?」  一瞬で、友人は笑顔に戻っている。僕は蒼白になっている。 「おい、どうしたんだよ」  友人が僕の顔色を見て訊いてくる。僕は猛烈に嫌な予感がして周囲を見回す。道路も歩道も混雑している。信号が変わった。歩行者が一斉に横断を始める。  僕は足を踏み出す友人の肩を掴んだ。 「なんだよ? 早く渡らないと……」  衝撃音。  友人と視線の先を共にすると、歩道に乗り上げた乗用車がビル一階の窓に突っ込んでいる。鳴り止まないクラクションと悲鳴が不快な合奏になって響きわたる。 「逃げよう」 「へ?」  僕は野次馬をかき分けて半ば強引に友人を連れ出した。
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