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ピンポーン♪
「……ん」
ピンポンピンポンピンポーン♪♪♪
「~~~っ、煩いなぁ!」
朝っぱらから鳴り続けるインターホンに無理矢理起こされ、痛む頭を抱えながら起き上がった。
「……はいっ」
『ナギノクリーンカンパニーです』
「……」
『さっさと開けろ』
「……はぁ」
(……しまった、すっかり忘れていた)
インターホン越しのやり取りで益々頭が痛んだ。
「何だ、その顔は」
「え……? 顏のことはどうでもいいでしょう? っていうか今日だっけ?」
「おい、こっちは休日返上して来ているんだぞ」
「はいはい、すみませんね。お願いしますよ」
家に上げた男は心底嫌そうな顔をして作業の準備を始めた。
「というか──おい、なんだこの有様は」
「何?」
「風呂場。前に作業してから一度も掃除していないんじゃないか?」
「……だね」
「おまえ……」
「いいじゃない、ちゃんとお金払って頼んでいるんだから。やりがいあるでしょう?」
「社員割引で利用しているくせに偉そうな口を叩くな」
「あれあれ? お得意様に対してのその口の利き方、なっていませんねぇ」
「っ、本当やり辛い」
「ふふっ。精々頑張ってくれたまえ」
先刻から文句を垂れているこの男は真戸光輔。同じ会社で働く同期で、高卒の彼と大卒の私は四つほど歳は違うけれど長い付き合いの中で年齢差を感じさせない歯に衣着せぬ物言いが出来る男友だちのひとりだ。
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